当店は、八王子で代々続く棟梁の家系です。屋号は「大馬」(右上)と読みます。ある時、私がお寺で工事中に過去帳を調べたら、江戸は亨保年間の先祖に「大工某」という記述があり、300年近く前からこの地で大工の仕事をしてきたことがわかりました。当店にとって一番良かった時代は戦前の昭和初期のころだとおもいます。
その頃八王子は絹織物が盛んで、機屋の旦那集が家や工場を建てる際には、決まった出入りの棟梁に任せていたんです。そして任された棟梁も腕をふるって信頼に応えたんです。現代もそんな関係になれたらと戻したいと思っています。
当店も人を使って、仕事を拡大した時代もありました。しかし、バブル後はそうしたやり方では、作る喜びもないし、自分で満足できる仕事ができないと思うようになったんです。そこで、7〜8年前から私は、思いきって仕事のやり方を方向転換しました。
それは、棟数は少なくても納得出来る家を建てようという方針です。ある程度余裕のある予算内で、自分自身も楽しめるような仕事をすることが結局は、お客さまのプラスになるのではないか。そう考えた私は、「一人大工」に徹して木工事はすべて自分一人でやることにしました。
現場で毎日、お客さまと相談しながら、お互いに納得して仕事を進めるので、後でトラブルが起こることはまずありません。そこで使う柱一本でも、きちんと見積りを出して選んでいただいております。ですのでのでお客さまからの信頼もいただいてます。
当店は歴史の積み重ねから、古くからおつき合いのお客さまがいます。「自分が生まれた頃に、先代や先々代が建てた家の立替えやリフォームの仕事が」
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